ろこのかたこと

たまに役者をやる会社員の日常

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#1

先日、アパートの契約を更新した。

私には更新のたびに住処を変えるようなアクティブさはない。今の部屋は初めての更新だが、以前住んでいた場所も今の場所からほど近い。それも土地区画整理事業に引っ掛かり強制退去となったため、泣く泣く引っ越したのだ。

人に話すときは「住めば都タイプ」と表現している。この地ももう8年だ。

そんな私も、今回の更新手続きを終えて、ふと、次の2年のことを想った。

ずっと住み続けていくか。

それとも引っ越すか。

なにせ住めば都なので、今の部屋もそんなに不満はなく、住み続けようと思えばずっといられるとは思う。一人暮らし向けの1Kで、9帖の部屋にWIC付き。ビルドインタイプのキッチン。バストイレ別で駅近、家賃は7万円台。十分なスペックだ。

 

だが結論を言うと、引っ越そうと考えている。

要因はいくつかあるが、思考の引き金になったのはツイッターで見た、「オタクライフを楽しむために家を買いました」という趣旨のツイートだった。若いシングル女性のツイートで、こだわり抜いたとても素敵な内装の写真が添えられていた。

そうか、独身女性でも家を買っていいのか。

間違いなくその時、思考の壁の一部が崩れたのだ。

 

そう考えると――と私の頭の中はクルクル回りだす。

犬がいる生活に憧れているから、それが叶えられる場所に引っ越したいかもしれない。

ああ、まさか私が積極的に他の場所に移り住みたいと思うなんて。この心の動きこそが新鮮で、考え始めると楽しくて止まらない。

本当なら大型犬が飼いたい。最近のマイブームはもっぱら秋田犬の写真を見ることで、あの大きなもふもふの身体に寄り添いながら暮らしたい願望はとても強い。

だがひとり暮らしで大型犬の飼育はさすがに難しい。それに、それこそ戸建てが条件になる。

車を持つ予定はないから駅近は譲れないし、一軒家は維持管理も難しい。将来的に売却の可能性もあるので戸建ては諦めることにした(戸建ては20年ほどで資産価値がほぼ0になるそうだ。反面、マンションは一定以下には下がりにくいという利点がある)。同時に大型犬との暮らしも遠のいた。

じゃあ、マンションで永遠に大好きな柴犬との暮らしを目指そう。そう決めた私の脳裏で愛らしい黒柴がワンと吠えた。

 

そこで選択肢に浮上したのが中古マンション購入+リノベーションだ。

新築もいいけど、売りに出されているのはファミリー向け物件ばかりだし、ただ単に中古マンションの賃貸に住むだけなのはこれまでと箱のサイズが変わっただけでつまらない。

なにより、リノベーションの事例を見ているとわくわくする。

壁をぶち抜いたり、天井を丸裸にしてコンクリを見せたり、家事導線にこだわったり。

広い土間にキャンプ道具を集めたり、防音の部屋を作ったり、自分のやりたいことを生活に組み込んだ家を実現している例は何とも魅力的だった。芝居が好きなドルオタは、今も本やDVDが家にあふれかえっているので壁面本棚で囲まれた部屋を妄想するまで秒だった。

なんだか大規模な工作をしているようで、発想も過程も面白い。小さいころにレゴで家を建てるのが好きだったのを思い出した。

そのわくわく体験の結果オリジナリティある自分好みの暮らしを手に入れることができるなら、最高なのでは?!

気づけば私の脳内の黒柴は、日差したっぷりの広々リビングにしつらえられたアイランドキッチンの周囲を走り回っていた。

 

さて、先日めでたく30歳の誕生日を迎え、今後の人生の在り方を少しだけ考えた。

あまり考えすぎるとドツボにはまるので、ほどほどに。

現在、パートナーはおらず、当然結婚の予定もない。家を買うというのは、人生の拠点を定めるというイメージが強く、果たして今の段階で踏み出していいものかと躊躇う気持ちがあるにはあった。

けど、逆に、じゃあいつ?

私はいったいいつ家を買うの?

もしかしたら結婚するかもしれない。そのための資金がいるかもしれない。

そんな「世間一般の人生設計」にとらわれたあいまいな理由で、自分の好きな暮らしを追求するタイミングを先延ばしにするのが、なんだか嫌になってしまった。

それに、ひとりだからこそ、自分の人生の軌道修正はいつでも可能だと思う。マンションなら売却や買い替えなどの手段もある。そもそも家を持っていることがネックになるような結婚(難色を示してくる相手)なら、考え直したほうがいいのではとも感じるが。

私の場合、よほどのことがない限り転職はしないし遠隔地への転勤もないので、そういう意味でも住処を定めるのは悪くないのだ。

さらに言うと、住宅ローンの返済期間は最長35年なので、組むタイミングは早ければ早いほどいい。今踏み出しておけばちょうど退職するころには肩の荷が下りた状態で、愛着のある持ち家との悠々自適ライフが待っているはずだ。

 

そういうわけで、私の中古マンション購入+リノベーションへの挑戦が始まった。

先日、さっそく個別セミナーを受けてきたので、次の記事でまとめることにする。

今後は引っ越し完了まで、リアルタイムで体験記を綴っていこうと思う。

同じような境遇の同志にとって参考になれば幸いだ。