ろこのかたこと

たまに役者をやる会社員の日常

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#4.5

今回は閑話休題

あけましておめでとうございます。今年もどうぞお付き合いください。

 

今年は実家に帰らず、ひとりで年越しを迎え、両親にはLINEのビデオ通話で挨拶をした。

このときの目下の課題は、中古マンション購入+リノベーションの野望を両親に話すこと。「一年の目標」を話す流れでさりげなくぶち込む作戦だった。緊張していて前後はもはや覚えていないが、とにかく私は実行した。

 

父の第一声は「お金持ち~」だった。いや実際そうでもない…。

少し動揺も伝わってきたし、私は滔々と自分の思いを語った。

自分のことは自分で幸せにしたい。そのためにできることはやっていきたい。

どうしてもこの話をする上では、#1で書いたような動機を避けることはできない。家買うよ!はいそうですか、は私の場合は無理だった。

しかも「結婚したので」とか、「手狭になったので」という傍目にもわかりやすい転機がない分、丁寧に説明する必要があった。

実家がどうなるか、私の人生がどうなるか、まだわからない。将来的な選択肢を増やすために、売ることも考えて資産価値の高いマンションにするということも伝えたので、だいたい理解はしてもらえたと思う。

 

構えていたよりはずっと穏やかに話は済んだ。

納得したかはわからない。特に父は、やはりというか、娘に結婚を諦めてほしくはないようで(別に諦めたわけではないが)「これから30年そこに住む気なのか」、「結婚できないとその年で考えるのがすごい」等と言っていた。一生懸命言葉を選んでいる感がすごく伝わってくる。

それらには、「長く住むことを考えずに家を買う人はいない」「いま相手がいない状況で結婚できると考えるほうが不自然」と返した。

 

昨年に半年間、婚活したことも話した。それなりに頑張ったが、うまくいかずに自己否定もひどくなり、疲れてしまったこと。泣くまいと思っていたが、結局泣いてしまった。お屠蘇のせいだと思う。

そのあたりの気持ちを理解してくれたのは母だった。今よりもずっと結婚の平均年齢が低かった時代に、今の私と同じくらいの年齢で結婚した母。同じように苦しい気持ちを経験してきているのだ。

「他の人と同じようにはいかないよ」

と母は言った。

「そんな中でも自分の生き方を見つけるのは大事だよ」

大体のニュアンスだが、そんな言葉を聞けるなんて思ってもみなかったので、驚くとともに感謝した。

 

とにかくマンションを買ってリノベーションすることを伝えてから、打ち合わせに参加する希望があるか聞いた。

リノベーション会社には、将来的に親が同居することになる可能性なども想像して計画を立てるといいとアドバイスを受けており、なるほどなと思ったので、そのことを伝えたのだ。

すると、意外にもそれは断られた。

父曰く、趣味の部屋を足すのと親が住む部屋を足すのとでは意味が全く異なる。自分の理想の家を実現する設計と、誰かと同居を想定しての設計を両立させるのは困難だという。

なおかつ、何度も繰り返すことができない大きな買い物だから、自分の思うようにやらないと後悔する。今の家を建てた時にそう思ったとのことだった。先人の言葉は重い。

母は、そこまで考えてくれているなんて、と若干感激しているようだった。ただ、なるべく今の家で住み続けたいという希望もあるということで、父の言うことに同意した。

余談だが、老後にどんな生活をしたいか両親と話しておくのは介護の観点からも大切なことなので、それも同時にできてしまったのは思わぬ収穫だった。

 

そうこう話しているうちに、大学院生で下宿中の弟も通話に参加した。

私の計画に対する弟の第一声は「楽しそうー!」だった。全肯定で笑った。

両親に言わせると、弟は私と違ってかなり行き当たりばったりのマイペースらしい。大違い、と言われるほど違うとは思っていなかったので、それも意外な気がした。

 

晴れて家族問題もクリアしたので、本格的に、私一人で中古マンション購入+リノベーションに挑むことになった。

だがここにきて、電話するまでにかなりの葛藤があった。

果たして私の決断に誤りはないのか?担当者が言っていることは正しいのか?

 

中古マンション購入+リノベーションのワンストップサービスを扱う業者は仕組み上、たいていどこもそうなのではと思うが(違ったらすみません)、リノベーション工事費用の相見積もりを取れない。不動産を購入したらその物件についてのリノベーションを必ず同社で行うことが、依頼時の契約書に既に盛り込まれているからだ。

この点は私にとってどうしても不利に働く。チェック機能もなければ知識もない。最悪騙されていたところで気づくことができない。

しかも私は4社巡った中でも比較的割高の業者を選んでいる。

本当にこの会社でいいのか?

たったひとりで大きな買い物をする緊張から、怖くて疑心暗鬼になってしまったのだ。

 

悩みに悩んだが、最終的には電話をかけて正式に依頼をした。

これまで時間をかけて考えてきたことと、自分の勘を信じるほかない。

業者の担当者と何度か話す中で「優柔不断ですみません」と言ったところ、「優柔不断なんじゃなくて、慎重派なんですね。石橋を叩きまくるタイプ」と笑いながら返された。そう受け取ってくれる相手と、これから家を作っていく。

 

今後も決断の連続だ。100%の結果にするのは難しいかもしれないが、なるべく後悔のないように、適度な強さでしっかり石橋を叩こうと思っている。