ろこのかたこと

たまに役者をやる会社員の日常

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#4

わくわく個別セミナー巡り(後編)

 

リノベーション会社を2社巡った時点で、どちらも利点はあるなあとぐらぐら揺れていた。その悩みは3社目に行くとさらに深刻化することになる。

 

LOHASstudio

新宿駅は最近改装されて東西の行き来が楽になった。地下鉄を使うことが多い私にしてみれば、西側に行きやすくなるのは本当にありがたい。

しかし肝心の新宿西口に出た後の土地勘がいまだにない。何度行っても地味に迷う。今回もビルとビルの間で右往左往したが、なんとか時間には間に合った。

LOHASstudioは雑誌に載っていた事前の情報からしてもかなり目を引く会社だった。その最大の特徴は、自然素材を生かしたデザイン力だ。名前に違わず、ロハスなライフスタイルの提案を得意としている。新宿西口の事務所も、おしゃれな照明のあたたかな色合いと、木のぬくもりであふれていた。

席へ案内され、アンケートに記入する。さすがに3か所目ともなると慣れたもので、さくさくと希望の条件を埋め終わると、担当者が来て話が始まった。

他社を見てきて疑問に思ったことも含めて、様々な質問に丁寧に答えてくれた。資料をどっさり渡してくれたが、デザイン力に自信がある会社らしく、まるで写真集のような映えまくりのパンフレットが何冊もあって驚いた。ページをめくるだけでときめきが止まらない……!

 

LOHASstudioのまとめと感想は次のとおり(宣伝ではないので正確な情報などはHP等で確認してください)

・自社に不動産部門もリノベ部門も全部あるタイプ。

・仲介手数料の割引があり最大0円になる(ただし全クリのハードルは高い)。

・アフターサービスが手厚い(クリーニングや日常の手伝いまでも網羅したクラブ会員制度がある)。

・自然素材を使ったこだわりのデザインが多い。

デザイナーが外注ではなく自社に在籍していて、かなりの研鑽を積んでいるとのことで、やりたいデザインがある人やこだわり抜きたい人にはぴったりだろうなと感じた。

また、埼玉に本社があることもあり県内での実績多数で、私的条件その1(埼玉での実績があるかどうか)部門ではぶっちぎりなのではと思う。

会員制アフターサービスの手厚さも魅力的だ。よく考えたらキッチンとか水回りはきちんと掃除しないと長持ちしないよなあ、でも全部自分で掃除できる気がしない。賃貸ならまだしも、今後は自分の資産になるのだ。より真剣にならざるを得ない。先日大掃除の時にキッチンのレンジフード掃除をしたらえらい目にあったので、クリーニングサービスは真面目に検討しようと思った。

 

ここまでは雑誌に掲載されていた業者で、最後に訪問した業者は、雑誌掲載はなかったもののwebで検索したら女性向けセミナーが企画されていたので参加してみた。

 

てまひま不動産

板橋・練馬エリアに強い業者で、母体は新築マンションを作っている不動産事業者だという。担当者に言われるまで気づかなかったが、マンションのブランド名を挙げられればピンときた。

てまひま不動産もその名の通りの門構えで、事務所の扉が自動ではなく引き戸だったのが割と衝撃的だった。てまひまの洗礼を受けた気がした。

事務所は全体的に柔らかい白の木材でまとめられた内装だった。床は無垢材で、リノベーションをする際は基本的に無垢を使うそうだ。手入れをしながら長く使うというスタンス。そのためのアフターフォローも丁寧に行っているらしい。

「女性こそ家を持つ時代」と銘打った個別セミナーだったのでどんな話が聞けるかなとわくわくしていたが、それっぽい部分は、私がこれまでの経緯(#1に書いた内容)を話したらそれを全肯定されて終わった。あまり新しい考え方や深い話はなかったのである意味拍子抜けしたが、私の考え方が的外れではないという裏付けになったと言えばそうなのかもしれない。

強いて言えば、単身女性向けの住宅ローンがあることを初めて知った。三大疾病などの保障が充実しているものもあるので保険を見直すタイミングでもあるかも、との話だった。家を買うとそんなところまで話が波及するのかと驚いた。なるほど一大イベント。

 

てまひま不動産のまとめと感想は次のとおり(詳細はHPで略)

・不動産仲介とリノベーション事業を両方やる。

・母体会社の新築マンション建設のノウハウもあり、自然素材と防音設備に強い。

・仲介手数料割引等はないが設計料を取らない。

・ていねいなくらし

ひととおり話が終わった後、近隣のリノベーション済物件を見に行かせてもらえた。そのフットワークの軽さに、地元密着型の良さを感じた。

また、実際に中古マンションの中身がリノベーションできれいになっている状況を見させてもらえたことで、自分が手にしようと思っている資産のイメージがより具体化された気がした。年季の入った箱の扉を開けたらめちゃくちゃキラキラしてるのって想像以上の感動よ。

 

以上4か所の業者巡りを終えて、感じたこととしては、まず目指している地点が同じなのでスケジュールや費用感にさほど差はない。保証期間も私が見た中ではほぼ同じだった。違ってくるのは物件探しのスタンスや、アフターサービス、割引制度、担当者の雰囲気等だろう。

迷いに迷ってしまった私は、ポイントを整理し、5点満点で点数をつけて総合点を比較した。出た結果をもとに、候補に挙がった業者へ再度連絡を取って、疑問を解消し不安要素を取り除いた。

これを書いている時点では、すでに業者を決めている。

お断わりする業者にはできる限り丁寧にメールをした。どちらにもとてもお世話になったので、なかなかに胃が痛い作業だった。

 

残った唯一の課題は、この中古マンション購入+リノベーション計画の件をまだ両親に話していないことだ。

そりゃ反対されても実行はするつもりだが、さすがに家族が大きな買い物をするのは心配もするだろうから、一応話したうえで進めようと考えている。

コロナ渦で帰省を断念してしまったので、なんとかして連絡をとり自然と切り出せないか検討中である。

それさえ済めば、晴れて物件探し開始だ。

新年早々、いいスタートが切れるよう願ってやまない。

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#3

皆さまこんばんは。ろこです。

今回も引き続き中古マンション購入+リノベーションの道のりをお話ししたいと思います。

 

わくわく個別セミナー巡り(前編)

 

さて、不動産会社やリフォーム会社は、その多くがセミナー形式での説明会や相談会を定期的に開催している。物件の購入方法や、リノベーションの基礎知識や、その会社ならではの特色やサービスを紹介してくれる。

ご時世柄、予約制の個別セミナーやリモート形式で行っているところが多いように思う。「ファミリー向け」「単身者向け」など、テーマが設けられているものもある。大抵無料である。

事前に雑誌でリノベーションについての勉強をちょっとだけした私は、物件購入+リノベをワンストップで行う業者の中から4社を選んだ。

雑誌に掲載されていた業者から3社、掲載されてはいなかった業者を1社。選ぶ基準は、「埼玉での実績があるかどうか」、次点で「単身世帯向けのセミナーを行っているか」である。

 

まずひとつ、両方の条件を満たす業者のセミナーを見つけたので早速webで予約した。

「リノベる。」

リノベる。は女性限定の個別相談会を開催していた。詳細を見ると、初心者向けかつ、女性ならではの「家の買い時とは」という内容も触れるようで、まさに私にぴったりの内容のように思えた。

まず予約完了のメールが来た上で、参加者には事前にカルテの記入が求められたのでURLからアンケートに回答した。

その後、日を改めて、電話によるヒアリングがあった。希望しているサービスや、申し込みのきっかけ、希望しているライフスタイルなど、質問は様々だった。

当日、いざ会場のショールームへ。降りたことのない駅だったので余裕をもって向かい、無事たどり着いてはいたのだが、早すぎるかと思って近くのスーパーに飲み物を買いに行き時間をつぶした。

よし、と思って現地へ行くと、担当者がちょうどドアを開けて出迎えてくれた。記念にと思って看板を写メっていたのを見られて少し照れた。

 

ショールームは、広いアイランドキッチンと、明るくすっきりしたイメージのリビングダイニング、奥にバストイレ、寝室があった。外観はごく普通のマンションだったので、扉をあけて即この景色が広がる時点でかなりテンションが上がった。

ダイニングのソファに通されて、ペットボトルのお水を出していただいた。手厚い。その後に行ったどの業者でも、コーヒーやら水やら、何かしらの飲み物はいただけたのでありがたかった。

いよいよ担当者から話を聞く。そもそもリノベーションとは何か、中古物件を買うメリットはどこにあるか、など。雑誌で読んだ情報をさらに補填するような形で知識を深めることができた。

座学が終わると次はショールームの見学ツアー。床の材や、天井の仕様などひとつひとつを見ていく。こんなこともできます、あんなこともできますと言われれば言われるほど夢は広がっていく。

その後、リビングのテーブルに場所を移し、より個人的な、私自身の要件に合わせた資金繰りのイメージなどを聞いた。諸々あって、月ウン万のローン。さすがに年収がバレるのでぼかすが、聞くと一気に現実がズンと胃に溜まるような感覚がある。そりゃ衣食住に健康的に金をかける一般人なら可能かもしれんが私はドルヲタぞ。典型的浪費家に言うことか?その返済計画。

いやそんなこというなら家買うの諦めな。はい。

 

セミナーはトータルで2時間半に及んだ。パンフレットと、基本的なリノベのパックの資料を持たせてくれた。

他の業者も見たいのでと言うと、どうぞどうぞと送り出してくれた(「きっと帰ってきてくれると信じてるので!」という、自信満々の一言があって面白かった)。

これだけのことを無料でやってくれるんだから驚きだ。ほくほくとしながらショールームを後にした。

 

リノベる。の特徴と私の感想をざっくり挙げると、おおむね次の通りになる。(ちなみに宣伝ではないので、正確な情報や詳細はHPなどでご確認ください)

・リノベーションの会社(不動産部門がない)

・物件探しのエージェントが予め選別した物件を紹介してくれる

・限られた打ち合わせ回数で、効率よく進める

・説明と資料が分かりやすい

ワンストップサービスを行う業者の中で「他社仲介」のスタイルをとっているのはリノベる。だけとのことで、物件探しについて客の立場に寄り添えるのが特徴らしい。

また、全国に広く実績があることや、独自開発したアプリ等で作業を効率化しているのも魅力に感じた。

事前に良く話を聞いてくれ、私に合った説明や資料を用意してくれているのもありがたかった。

 

リノベる。のおかげでとにかく格段に解像度が上がった私は、残り3社のセミナーも予約した。おおよそ週1のペースで、1か月余りかけて巡ったことになるが、この期間はどこ行っても本当に楽しかった…!

 

ということで2社目はこちら。

 

「nuリノベーション」

webから申し込みを行い、参加者は登録必須となるメンバーズ会員の申し込みも済ませ、向かった先は広尾。

おしゃれの街じゃん……と震えながら歩いていたら普通に約束の時間を過ぎていた。意外と遠かった。担当者が外までお出迎えをしていてくれた……お待たせして本当に申し訳なかったです……

通されたのはシックな印象の会議室。そこに至るまでの社内にサッカーゲームのテーブルがドンと置いてあって謎だった。おしゃれか????

事前に他社で説明を聞いていることは伝えてあったが、知識が偏っていると嫌なので基本的なことから話をしてもらった。

アンケートに記入をし、物件の情報も軽く見させてもらう。会話していく中で、もしかしなくても私の求める物件の条件ってかなりわがままなのでは?と思い始めた。不可能ではないがそんなに選択肢も多くはない、というような雰囲気だった。現実的な話をしてくれているように感じた。

終わりに、社内にあるコンセプトルームを見学させてもらった。アイランドキッチンや、書斎スペースなど、こだわりの造作(既製品ではなくオリジナルの設計でしつらえること)例が詰まっていた。やっぱり実物をこの目で見るとテンション上がる。今はなかなか外に出るのは厳しいこともあろうが、状況が許せばできる限り現地で話を聞くことをお勧めしたい。(私が行ったとこはどこも感染症対策しっかりしてました◎)

 

nuリノベーションの特徴と感想はこうだ(詳細はHPで略)。

・自社に不動産部門もリノベ部門も全部あるタイプ。

・デザインが幅広くユニーク。

・システムが整頓されている。

・いろいろとおしゃれでスタイリッシュ。

コースによって打ち合わせ期間と設計料が決められていて、コストがわかりやすい。打ち合わせ期間内は回数無制限なので、実際頼んだら毎週のように通うことになる。それ故か、もらった資料に周辺の美味しいお店マップがあって可愛かった。

また、リノベした内装に合わせて家具・家電もコーディネートできるサービスがあるのも魅力的だった。そういえば、もし実際に引っ越したら部屋がこれまでの倍くらいの広さになるのに、それに合わせた家具とか揃えるの大変だな…とこのサービスの存在を知って初めて思わされた。インテリアコーディネーターにそのあたりをお任せできるシステムはとても嬉しい。絶対に使いたい!とうずうずしながら恵比寿に向かってずんずん歩いた。

担当者の言う通り、広尾からより恵比寿からのほうが微妙に近かった。いやほんとミスった。

 

ここまでで優に3,000字を超えようとしている。え?

単純な比較ブログというより体験記として残しておきたいと思って書き始めたのでこんなことになってしまった。

これ以上長くても大変なのでいったん区切ろうと思う。すみません。

 

後編に続く!

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#2

まず、前回の記事を多くの方にお読みいただき(当社比)本当にありがとうございます。

やっぱみんな気になるよね!うんうん。

 

かくかくしかじかで中古マンション購入+リノベを決意した私。

今回はリノベ会社のセミナーに参加するまでの前段階の話を書こうと思う。

各社のレビューを期待していらっしゃった皆様、すみません。それはまた次回。

 

やると決めたものの、私はそもそもリノベーションとはなんぞやというところをほぼ知らなかった。なんかマンションの内装を大規模にリフォームできるっぽい?というのがせいぜいだった。

なにができるのか。時間は、お金はどれくらいかかるのか。

そもそも「中古マンション購入+リノベーション」という手段そのものが、不動産分野と建築分野という隣り合わせのくせに全然違う畑の事案の融合なので(というのは後からセミナーで知ったことだが)、何も知らずにやろうとしても手順や金銭面で躓きがちなのだという。

というわけでこれらを学ぶのにまず頼ったのは、雑誌だった。

 

本屋の建築系のコーナー等にある、リノベーションに関する書籍たち。まるで写真集のような重厚なものから、定期的に出ているライトなものまで様々だが、私はその中から『中古を買ってリノベーション』という雑誌を購入した。

物件探しからリノベーションまでを含めたワンストップサービスを扱う会社に特化した内容で、私のやりたいことと方向性が一致していた。(逆に、既に物件を購入済みだったり、持ち家をリノベーションするケースにはあまり適さないかもしれない。)

 

なにせ安いのだ。300円である。

要は広告代で賄われているので中身もそういうもんだと思うべきだが、事例集も豊富で、リノベーションを手掛ける大手会社のカタログを取り寄せることもでき、初心者には便利だと思う。

2020年秋冬版には控除や給付金の特集記事があったのが決め手となった。そのあたり何も知らない子羊にはもってこいだ。

 

この雑誌のおかげで、私は基本的な用語や知識をかなり手に入れることができた。

特に物件探しから引き渡しまでの道のりや、資金繰りの注意点をなんとなく知ることができたのは大ききかった。

自分が無知すぎて衝撃だったのは、支払いの全部がローンにできるわけではないという点だった。当然のことながら折に触れて現金も必要なのだ、10万とか100万とかの規模で。貯金なさすぎてやばい、早くも心が折れそう。

でもそれを知った上で個別セミナーに向かえるのは心構えとして大切なことだったと思う。危うく相談会で泡吹いて倒れるところだった。

 

なんとなくリノベーションに対しての解像度が上がったところで、雑誌に掲載されている会社を中心として数社を選びセミナーの予約をした。

会社にもよるだろうが、私が選んだところは全て無料かつ個別で話を聞くことが可能だった。1対1でゆっくり深い相談ができる。ありがたい限りだ。

現在絶賛セミナー巡り中なので、次回更新でまとめを出したいと思っている。

 

それにしても現時点でもうすでに頭がパンクしそうで大変だ。

どこの会社も魅力的なサービスを展開しているし、考えなきゃいけないポイントは多いし。

その上、推しはリリイベ真っ最中なもんだからオタクはバカみたいなペースでCD買ってる。

えーんお金がないよー!!

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#1

先日、アパートの契約を更新した。

私には更新のたびに住処を変えるようなアクティブさはない。今の部屋は初めての更新だが、以前住んでいた場所も今の場所からほど近い。それも土地区画整理事業に引っ掛かり強制退去となったため、泣く泣く引っ越したのだ。

人に話すときは「住めば都タイプ」と表現している。この地ももう8年だ。

そんな私も、今回の更新手続きを終えて、ふと、次の2年のことを想った。

ずっと住み続けていくか。

それとも引っ越すか。

なにせ住めば都なので、今の部屋もそんなに不満はなく、住み続けようと思えばずっといられるとは思う。一人暮らし向けの1Kで、9帖の部屋にWIC付き。ビルドインタイプのキッチン。バストイレ別で駅近、家賃は7万円台。十分なスペックだ。

 

だが結論を言うと、引っ越そうと考えている。

要因はいくつかあるが、思考の引き金になったのはツイッターで見た、「オタクライフを楽しむために家を買いました」という趣旨のツイートだった。若いシングル女性のツイートで、こだわり抜いたとても素敵な内装の写真が添えられていた。

そうか、独身女性でも家を買っていいのか。

間違いなくその時、思考の壁の一部が崩れたのだ。

 

そう考えると――と私の頭の中はクルクル回りだす。

犬がいる生活に憧れているから、それが叶えられる場所に引っ越したいかもしれない。

ああ、まさか私が積極的に他の場所に移り住みたいと思うなんて。この心の動きこそが新鮮で、考え始めると楽しくて止まらない。

本当なら大型犬が飼いたい。最近のマイブームはもっぱら秋田犬の写真を見ることで、あの大きなもふもふの身体に寄り添いながら暮らしたい願望はとても強い。

だがひとり暮らしで大型犬の飼育はさすがに難しい。それに、それこそ戸建てが条件になる。

車を持つ予定はないから駅近は譲れないし、一軒家は維持管理も難しい。将来的に売却の可能性もあるので戸建ては諦めることにした(戸建ては20年ほどで資産価値がほぼ0になるそうだ。反面、マンションは一定以下には下がりにくいという利点がある)。同時に大型犬との暮らしも遠のいた。

じゃあ、マンションで永遠に大好きな柴犬との暮らしを目指そう。そう決めた私の脳裏で愛らしい黒柴がワンと吠えた。

 

そこで選択肢に浮上したのが中古マンション購入+リノベーションだ。

新築もいいけど、売りに出されているのはファミリー向け物件ばかりだし、ただ単に中古マンションの賃貸に住むだけなのはこれまでと箱のサイズが変わっただけでつまらない。

なにより、リノベーションの事例を見ているとわくわくする。

壁をぶち抜いたり、天井を丸裸にしてコンクリを見せたり、家事導線にこだわったり。

広い土間にキャンプ道具を集めたり、防音の部屋を作ったり、自分のやりたいことを生活に組み込んだ家を実現している例は何とも魅力的だった。芝居が好きなドルオタは、今も本やDVDが家にあふれかえっているので壁面本棚で囲まれた部屋を妄想するまで秒だった。

なんだか大規模な工作をしているようで、発想も過程も面白い。小さいころにレゴで家を建てるのが好きだったのを思い出した。

そのわくわく体験の結果オリジナリティある自分好みの暮らしを手に入れることができるなら、最高なのでは?!

気づけば私の脳内の黒柴は、日差したっぷりの広々リビングにしつらえられたアイランドキッチンの周囲を走り回っていた。

 

さて、先日めでたく30歳の誕生日を迎え、今後の人生の在り方を少しだけ考えた。

あまり考えすぎるとドツボにはまるので、ほどほどに。

現在、パートナーはおらず、当然結婚の予定もない。家を買うというのは、人生の拠点を定めるというイメージが強く、果たして今の段階で踏み出していいものかと躊躇う気持ちがあるにはあった。

けど、逆に、じゃあいつ?

私はいったいいつ家を買うの?

もしかしたら結婚するかもしれない。そのための資金がいるかもしれない。

そんな「世間一般の人生設計」にとらわれたあいまいな理由で、自分の好きな暮らしを追求するタイミングを先延ばしにするのが、なんだか嫌になってしまった。

それに、ひとりだからこそ、自分の人生の軌道修正はいつでも可能だと思う。マンションなら売却や買い替えなどの手段もある。そもそも家を持っていることがネックになるような結婚(難色を示してくる相手)なら、考え直したほうがいいのではとも感じるが。

私の場合、よほどのことがない限り転職はしないし遠隔地への転勤もないので、そういう意味でも住処を定めるのは悪くないのだ。

さらに言うと、住宅ローンの返済期間は最長35年なので、組むタイミングは早ければ早いほどいい。今踏み出しておけばちょうど退職するころには肩の荷が下りた状態で、愛着のある持ち家との悠々自適ライフが待っているはずだ。

 

そういうわけで、私の中古マンション購入+リノベーションへの挑戦が始まった。

先日、さっそく個別セミナーを受けてきたので、次の記事でまとめることにする。

今後は引っ越し完了まで、リアルタイムで体験記を綴っていこうと思う。

同じような境遇の同志にとって参考になれば幸いだ。

 

天高く

最近、カロリー計算を始めた。

理由は簡単、最近太ってしまったからだ。

 

ここ2年くらいずっとキープしていた体重を1kg上回ったまま、動かなくなってしまった。いつもなら食べ過ぎても1~2日で元に戻るのだが、一向にその気配がない。

お腹がたるみ、身体も動きが鈍ったようだ。階段を上がるのが前よりもしんどい。

 

原因はいくつか心当たりがある。

まず一つは、残業である。

繁忙期を過ぎても仕事が減らず、去年比で残業がものすごく増えているのだが、職場には担当内で持ち寄ったおやつがストックされており、毎日つまんでしまう。カントリーマアム2枚、アルフォート2枚、ハッピーターン1枚なんて日もザラだ。その上、帰宅が遅くなるのに夕飯はしっかり食べてしまう。完全に毒である。

もう一つは、旅行だ。

8月末にひとり旅で贅沢三昧した結果、自炊が億劫になった時期があった。ただでさえ美味しいものをたらふく食べてきたのに、その後もしばらく外食やコンビニ食で済ませてしまい、自炊でつつましく過ごしていた日々の感覚を取り戻すのに苦労した。その間に脂肪も蓄えてしまったのだ。

さらにもう一つ、酒だ。

10万円の給付金で買った日本酒はまだまだ残っている。私の一度の酒量からすると年内は優に楽しめるほどである。知っての通り、日本酒のカロリーは決して低くない。また、大吟醸たちがキッチンに鎮座していることで、いつでも飲めるという手軽さと、仕事のストレスもあり、夏以降の私は飲酒の頻度自体が上がっていた。

 

そういうわけで順調に太ってしまった私は、さすがに危機感を感じた。

運動も久しくしていなかったのでまず筋トレを再開させることにした。スクワットとデッドバグ、プランクを基本毎日やる。

また、摂取カロリーがやばいという自覚はあったので、カロリーコントロールを導入することにした。

まとめサイトで挙げられていたダイエットアプリをいくつか並行して試し、個人的に一番続きやすかったものを選んだ。

そのアプリではカロリーの計算と記録をしたうえで、結果に応じて栄養士のアドバイスを受けとることができる。また、日記をつける機能がある。SNSの要素があって、同じアプリでダイエットをしている人と記録を共有し、「いいね」をつけて応援しあうことができるのだ。ダイエットは仲間がいると続きやすい。SNSの有効活用例を久々に見た気がした。(具体的なアプリ名を知りたい方は言ってください、教えます)

 

初めて10日ほどになるが、1.3kg減に成功した。これくらいは誤差かもしれないが……私としては大切な結果である。やはりカロリーは数字として把握しやすくなると意識も高まる。少なくとも気の緩みはだいぶ引き締まった。

目標は2か月で3kg減としているので、まだまだこれからだが、無理せず継続していきたい。

健康診断は、もう目の前だ。

10万円あれこれ

上半期、大きな話題となった特別定額給付金の支給も、そろそろひと段落の時期に来た。

郵送方式の申請受付開始日から3か月以内が締め切りだから、スタートが早かった自治体ではもう受付終了しているところもあるのではと思う。

私は仕事柄、まだ給与に大きな影響は出ていないため、今回の給付金は「経済を回す」側として大いに活用させてもらった。

自分用のメモとして、これから受給される方向けの参考として、使い道をまとめてみる。

 

1.一人用ソファ 約21,000円

これまで無印のいわゆる「人をダメにするソファ」を床に直置きして、その上で過ごしてきたが、いかんせん柔らかいので腰に負担がかかりやすいと感じていた。

部屋で過ごす時間が増えたこともあり、思い切って購入した。ローテーブルに合うよう、大きな座椅子のようなものを選んだ。

シンプルで色も地味なので、かわいいクッションも追加で注文した。これは10万円にはカウントしていない。

 

2.靴 約5,000円

通勤用のパンプスなので、普通に服飾費から出せばいいのだが、これについては買おうか迷ったときに「どうせ10万円入るし、買ったれ」という勢いで決断したためカウントした。

ちなみに私は普段から通勤用のパンプスはスニーカーブランドが出しているシリーズのものを買うことに決めている。とにかく足が楽で履きやすいし、なおかつかわいい。

 

3.ワイヤレスイヤホン 約25,000円

今回の給付金の使い道を考える上で、普段の自分の稼ぎだけでは躊躇してしまうような大型家具や家電に目が行きがちで、これもそのひとつだった。

かなり迷って、BOSEのSOUNDSPOT FREEにした。フィット感、低音の厚み、通話のしやすさが気に入っている。

 

4.ワンピース 約12,000円、13,000円

2の靴と同じで、給付金入ったから買ったれ!と購入したもの。普段はプチプラをセールで買うタイプなので、1万円を超える服をワンシーズンに2着も買ってしまうのはかなり贅沢なお金の使い方をした感覚だった。

服を買うよりCD買ってるんですよね。

 

5.酒 約10,000円

せっかくの給付金なのだから、いま困っている業界の支援につながるような買い物もしたいと考え、和歌山の酒蔵「尾﨑酒造」さんから直で購入した日本酒たち。

熊野に行って、宿泊先で提供されていれば必ず呑むし、お土産にも買って帰るお気に入りの銘柄だ。

個人的に「純米酒 那智の滝」が一押しで、これは一升買った。私自身、酒にはそんなに強くないのだが、那智の滝を飲んで悪酔いしたことは一度もない。スッと舌に馴染む、まさに清らかな水のような酒なのだ。

他にも、酒蔵自慢の銘柄をいくつかあわせて取り寄せた。週末の晩酌にすこしずついただき、贅沢をしている。

 

6.鯖缶 約6,300円

5の酒のつまみになるような美味しいお取り寄せはないものかと、ツイッターでタイムラインに聞いてみて、教わったのが「マルヌシ」の鯖缶だった。

青森の八戸港でとれた鯖を、塩やみそだけでなくハバネロやアヒージョなど様々に加工し缶詰にしたもので、関東では物産展などにもあまり出ないレアなものらしい。

そのまま食べても、パスタなどにしてもおいしい。ご飯にのせて温泉卵を落として食べたら最強の朝ごはんになった。もちろん、日本酒にも合う。

今回は和歌山の酒とマリアージュさせることとなったが、同じ青森の地酒と合わせても最高なんだろうなあと、リピートする気満々である。

 

7.カードゲーム 約2,600円

昨今、雑貨屋などに多く並びじわじわと人気が出てきているカードゲーム。

緊急事態宣言が明けてしばらくしたころ、友人の誕生日会に合わせて余興になるものを探していたところ、ビビッときてしまい衝動買いした。

シンプルな絵が描いてある手札から単語を連想し、しりとりをして中央にカードを重ね、手札がなくなった人が勝ちなのだが、酒に酔った頭には不向きで、悲しいかな、不評だった。

絶対面白いのに。しらふの時にガチでやるべきなのかもしれない。

 

8.スクラブ 約5,000円

みんな大好きSABONの例のスクラブ。これも化粧品としてはプラスアルファの部類だし悩んだものの、繁忙期の一番の山を乗り越えた時にご褒美も兼ねて購入。

ここ最近の目下の悩みである毛穴汚れをどうにかして解消したいという思いもあった。

実際使ってみると、洗い上がりの肌がフワッとする初めての感覚があった。すうっと気持ちのいいミントは夏場はありがたい。

これは確かに人気も出るよなあ。一回味わってしまうと手放せなくなるのが怖いんだよなあ。

 

以上、合計約10万円也。

 

普段は簡単には手が出せないようなものから、美味しいお取り寄せまで、かなり幅広く使えたのではないかと思う。

また、クッションのように、給付金に足して自分の懐から出資して買ったものもあったので、10万円以上の“経済効果”もあったと言えるだろう。

 

それにしても、社長から寄付を強要されなくて本当に良かった。

 

おまけ

却下したもの

 

・電子レンジ

3万円くらいのもので買い替えを検討していたが、その前にかわいいワンピース2着と出会ってしまい断念。

・回らない寿司

お店の支援にもなるし名案!と思ったのだが道連れを見つけられず。

・ローテーブル

7,000円くらいで買った訳ありのこたつを使い続けて7年。そろそろ買い替えようかと思ったものの、いざ検討し始めると今のテーブルに愛着が出てきて見送り。

あなたのような誰か

 新しい趣味が増える予感というのは、なんだかドキドキする。
 知りたいことがどんどん出てきて、少しずつ、はまっていってるのを自覚する。
 まだ大きな世界の淵に触れただけの今だからこその記録を残しておく。

 香水との出会い自体は、昨年に遡る。
 最初に手にしたのはAUX PARADISのオールドパルファムだった。
 国産ブランドで、日本人ならではの繊細さを生かし、ナチュラルな素材を使っているのが特色らしい。
 かなり多彩なラインナップの中から、グレープフルーツとムースドマスカットの小瓶を選んだ。
 爽やかな2品は、個別でも、重ねて使ってもいい。
 店員さんに初心者であると話し、具体的にどう使うのか教えてもらった。お腹につけると全体に香るというのはその時初めて知った。
 15ミリリットルで3,000円程度。香水の中では手に取りやすいほうとは言えなかなかに値は張る。
 初めての香水を、私は大切に使った。
 出勤前に一吹きすれば、気持ちにスイッチが入る。仕事で疲れた時の気分転換にも一役買った。
 ただ、習慣にまではならなかった。買い足しもしなかった。
 品物に不満があったわけではなく、単にタイミングの問題だと思う。

 事実、次に来た機会が沼への一歩となった。
 つい先月のことになるが、友人と買い物を楽しむ中で衝動的に「香水ガチャ」を回したのである。
 カジュアルに香水と出会えるNOSE SHOPの店頭に、それはある。
 1回700円。一人だと見送っていたが、友人と一緒だったのが追い風になった。
 ガチャは2種あり、花の香りと夏の香りでジャンル分けされていた。友人は花を、私は夏を選び、回した。
 そこで出会ったのが「YOU OR SOMEONE LIKE YOU」だ。
 店員さんは「僕、これ好きなんですよね」と品物を取り出し、香りの解説をしてくれた。
 すべてを正確に覚えていないのが口惜しいが、「ロサンゼルスの街の女性をイメージしていて、少し寂しさも感じられる」というようなことを言っていた。
 どうやら少し大人な、色香ある情景が思い浮かぶような香りを引いたようだと、その時は思った。

 いざ試してみると、その香りは衝撃的だった。
 匂いがきついわけではない。
 ただ、私の胸に強烈な印象が残った。切なさである。
 陽が落ちて、顔が陰る、黄昏時の街。孤独と、ほんの少しの甘やかさ。
 都会的な爽やかさの中にナチュラルな雰囲気もある。
 これを表現しきる語彙が私の中にないが、NOSE SHOP公式の解説はまるで小説のようだ。
 実際、同名の小説の登場人物がイメージされてできた香水とのことだから、必然だろう。
 いやもしかして香水の解説って全部こんな感じなのか?複雑な感覚を表現するには、それは物語にならざるを得ないのかもしれない。

 ごくごく単純に、私はこの香りがとても気に入った。バックボーンも名前も含めて。
 材料が明かされていないミステリアスさも好きだ。
 ガチャで手に入るサンプルではなく、実際の瓶を買う決断をするまで時間はかからなかった。
 50ミリリットルで12,500円。個人的に安くはない買い物の部類だ。ただ、後悔はない。

 そう――後悔がないのだ。
 これは危ない。
 アイドルの特典会で言えば、うちの界隈のレギュレーションで言うとツーショット4枚分に相当する。シングルCD12枚分。
 この出費にためらいがないのは、もはや追っかけと同等の趣味ができてしまったということではないか。
 それに、今の私には知識欲がある。トップノートとか、ラストノートとか、スパイシーだとか柑橘系だとか、香水を語る上での語彙や経験が私にはまだ足りない。どうにかそのあたりを手に入れたい。
 まぎれもなくオタクへの道の第一歩である。
 YOU OR ~との出会いから数日後、またガチャを回したところ、今度はニコライのオードトワレ、フィグティーが出た。これもどうやらとても複雑な調香をしているらしい。キンモクセイコリアンダージャスミンでなぜイチジクになるのか不思議でならない。
 そういえば昔、漠然と、いつか香道をたしなみたいと思っていたことを思い出した。
 人生、いつどんなタイミングが巡ってくるかわからないものである。

 YOU OR SOMEONE LIKE YOUの瓶はシンプルで、ラベルの真っ青な瞳が際立つ。
 まずはこの眼差しとの会話を楽しみながら、少しずつ香水への知識を深めてみたいと思う。