ろこのかたこと

たまに役者をやる会社員の日常

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#10

物件購入、設計打ち合わせ、ご近所周りが無事に進行し、工事が着工したのは4月の下旬だった。

 

工事全体としては2〜3ヶ月で、リノベる。の場合は施主が現場に行けるタイミングが3回ほどある。

解体確認、中間確認、竣工確認。そのあとは引き渡しだ。

それ以外にも毎週、現場からの写真が送られてくるので、仕上がっていく様子を見るたびに感動しきりである。

ちなみに、リノベ業者によっては、現場にカメラが設置されており施主がいつでも確認できる!というところもあった。

 

さて、これを書いている6月上旬の時点で、中間確認までが終了している。

 

まずは解体確認。

着工から1週間ほどのタイミングだった。

リノベーションのために既存の壁や床など内装を壊していく。フルリノベーションの場合は壁も何もかも取り去って、スケルトンという状態にまでするが、私の場合は床や部屋を部分的に既存利用するのもあって、「半壊」という感じだった。

 

天井を躯体表し(コンクリート剥き出し)にする予定だったので、どんな状態かが気になっていたが、運がいいことにとても綺麗だった。大抵、新築工事のときの印などが残っているものだが、ほとんどない。

また、可能な限り配管も刷新。中身も綺麗にできるのがリフォームとリノベーションの違いである。

 

まだほとんど壊れているだけの状態のはずなのに、興奮度はかなりのもので、派手な舞台の仕込みみたいなワクワク感があった。

設計担当者曰く、腕の良い職人さんにお願いすることができたそうだ。ありがたい限りである。

 

このとき、施主支給品の取り付け位置や、家具を設置する場所の寸法なども確認した。

ちょうど売主さんが置いていってくれたエアコンを工事のため取り外していたところだったので、傍らで眺めていたが、予想以上におじいちゃんだったのでエアコンは残念ながら引退することとなった。あれを再度取り付けて働かせようと言う気にはならない。

 

というわけで急遽エアコンを買わなきゃいけないことになったが、23畳以上向けのものが必要と判明して、23畳って何畳?となった。リビングダイニングとクローゼットが繋がっているので守備範囲が広大になってしまったのだ。

価格コムをggって更に卒倒した。これまでエアコンというものは大家さんが用意してくれるものだったし、それもせいぜい8畳向けくらいのものまでしか知らなかったのだから仕方ない。

しかも引っ越しが盛夏なので購入待った無し。遅くなれば工事が入居に合わせられないので、後日半泣きで家電屋に走った。

 

工事はつつがなく進行し、予定より早いタイミングで中間確認があった。

 

中間確認では、設計通りに壁がつくられるなど、基礎部分のほとんどが出来上がっていた。

クローゼットの棚や、キッチンの腰壁も作られ、完成のイメージがだんだんと立ち上がってきている。

 

特にテンションが上がったのはメインのドアである。一番高さがある大きなものが入ることになっていた。実物が壁に立てかけられていたが、相当な存在感があった。

これがモスグリーンに塗られ(色はもちろん私が決めた)、取り付けられるところを想像すると、いかんせんかなりの迫力も出ると思うのでちょっとドキドキした。上手くかわいく仕上がると良いのだが。

 

その他、壁紙や床材のサンプルを合わせ、最終的な仕上げの確認をしていく。施主支給品も納品されていたので、現物を使って再度位置の確認を行なった。

心配なことや、もう少し工夫したいと思ったことは、ダメ元で相談させてもらって、本当にありがたいことに大体うまく解決してもらった。

 

少し話が逸れるが、引き渡しの前日にはリノベーション部分の費用の支払いが完了している必要があり、このタイミングで金融機関へローンの分割契約(リノベ費用の融資の実行)に行った。

物件購入費用分のときほど煩雑ではなかったので、手続き自体は短時間で済んだが、手数料の請求があるのをすっかり忘れており、明細を提示されて一瞬意識を失った。

分割した分だけ銀行に払う手数料がかかるし、私の場合、工事の間は利息のみ支払いをしてローンの返済を待ってもらっている状態なので、最終的に30万くらい余計にお金がかかってる計算になるが、まぁ状況的に必要経費なので、そう、とにかく節約を頑張るしかないのである。

 

出来上がっていく新居の写真を見るたびにお財布の紐をキュッとする気力が湧くので、モチベーションって大事だなと思う。

次は竣工確認なので、ほぼ出来上がった状態を見ることができるはずである。楽しみで仕方ない。

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#9

前回書いた設計打ち合わせの、2回と3回の間に、住宅設備のショールームに行った。

 

住宅設備というのは例えばユニットバスとかトイレ、キッチン、洗面所などのことを指す。

私は主にユニットバスとキッチンが最重要課題で、トイレと洗面所は参考程度に見させてもらった。

 

TOTOLIXIL、クリナップ、パナソニックなどなど、メーカーは様々。全部巡るわけにもいかないので、その中から好みや予算に合いそうなものをあらかじめいくつか選んでおき、設計担当者に予約を取ってもらう。

数日にわたってショールームで見本を見ながら見積もりを依頼した。

ちなみに都内だと新宿界隈に各社のショールームが集中しており、設計さんはショールームマップみたいなものまで持っていた。とりあえず新宿行けば大体全部見られるんじゃないかと思う。

 

実際どこのに決めたのかはボカさせていただいて、(もしかしたらどこかで話すかもしれないけど、)思い出話をつらつらと書いていこうと思う。

 

TOTOは朝イチで行ったところ、案内担当さんたちが10人くらい受付の傍にズラリと立っていて、絵面に圧倒された。

受付で名前を告げると、番号が読み上げられ、私に割り当てられた担当者がハイ!と返事をしてそばに寄って来てくれた。

キッチン、ユニットバス、トイレ、洗面所などを順繰りに見せてもらう。リノベの営業担当もいたので(本来は同行するものではないらしいが、ご自身の勉強も兼ねて来てくれた)写真を撮るのは営業担当に任せた。

トイレの説明の時に「TOTOは陶器の会社ですので」という言葉が出て、そこで初めて知ったのだが、TOTOというのは「東洋陶器」の略なのだそうだ。いま書きながら「衛生陶器」という単語も初めて知った。学び。

キッチンの収納もトータルで揃えるのに憧れがあったのだが、本体抜きのカウンターだけで軽く30万は超えると教わって諦めがついた。

どこもそうだけどあんまり無理な薦めかたをしてこない。私の年収で返せないような借金を負わせようとはしてこないので、話していて安心した。

 

LIXILはめちゃくちゃ丁寧な接客だった。接客の良さだけでも、他と迷った時に贔屓してしまいそうになるくらいだった。

もちろん商品も充実していて、キッチンの見学が楽しかった。私は身長が高めなので、本体の高さも高めのほうが断然作業がしやすいことに、このとき初めて気づいた。世の中キッチンの高さは大抵80cmとかが多いようなのだが、90cmのキッチンに触らせてもらった時の感動がすごかった。10cmの差は侮れない。

また、食洗機の機能も様々で、ノックをすると自動で開いてくれるタイプが面白かった。考えてみれば、お皿がぎっしり詰まった食洗機は絶対に重いので、この仕組みはあると嬉しい。それなりに高価なので今回は見送ったが、10年後の買い替え時には是非検討したいと思っている。(※食洗機については家電メーカーのものがキッチンに埋め込まれるのでLIXILオリジナルというわけではない)

また、これはTOTOもだったが、風呂の床や壁の色を決めるときに、ミニチュアを組み合わせて検討するのがちょっと楽しかった。

 

そしてWOODONE。

これは知人に「木目調キッチンだったら断然可愛いよ」とオススメされて見に行った。

無垢材の住設を取り扱うメーカーなのだが、ショールームがなんか懐かしい雰囲気だった。机と椅子が、小学校の図工室にあるそれなのだ。

実際見てみると、確かにデザイン性が高い。あまりにもおしゃれなので、ドラマや映画のセットにも採用率が高い。(恋ぷにの蓮田家のキッチンもWOODONEのはずだ)

床や家具に木目調を採用しているので、キッチンもぜひ木を取り入れたいとは思っており、プリントよりも本物の無垢材を使っているWOODONEはめちゃくちゃ魅力的だった。天板やパーツもこだわりまくっている。機能的には全然意味ないのにただ単にオシャレっていうだけで謎の形状してる水栓とかある。

機能面でも、無垢とはいえ手入れしやすい加工がしてあるということで、唐突に加工済みの木材の上に醤油を垂らして「拭いてみてください」と言われるパフォーマンスがあった。沁みることなくスッと拭けてしまう驚き。手にほんのり香る醤油。

しかし、高い!

他のメーカーは仕入れ値が結構割り引きされるのにWOODONEはほぼ下がらない!!

あと入れられる食洗機の選択肢が上位モデルしかない。

物は確かに良いので唸ってしまう。

さては私、ここの客層じゃないな…?

薄々勘づきつつも、やっぱり可愛いので見積もりはお願いしてきた。

 

おおよそ1週間程度で各社の見積もりが出揃い、第3回の打ち合わせでどこの設備にするかを選択していった。

ユニットバスの水栓の位置がちょっと変わるだけで金額が変わるので、ディティールも苦しみにのたうち回りながら取捨選択した。

こういったショールーム巡り自体、そんなに機会もないので非常に楽しい経験だった。

 

余談だが、LIXILに行った日はインディーズで出した歌の収録の翌日で、一晩寝ても体力ゲージが0に近くヘロヘロだったので、写真撮っといてくれる営業担当者の存在がめちゃくちゃありがたかった。

 

さて、次は工事着工から先の話へ進んでいく。

ひとり暮らしドルヲタ女が中古マンション買ってリノベするまで#8

ゴールデンウィークは久々に「なにもない」休日を過ごしており、時間の流れをこの上なくゆっくりと穏やかに感じている。

というのもここ最近は毎週末、要かつ急の打ち合わせが続いており、その度に脳みそを絞り上げ、くたくたになっていた。

リノベーションの設計打ち合わせは、私にとってかつてない自由の体験であると同時に、ありとあらゆる制約との戦いでもあり、楽しくも苦しくもあった。

 

リノベる。では基本的に設計打ち合わせを全4回としている。

私の場合は、各回3時間前後だった。

回数自体はリノベ会社ごとに差はあれど、設計にかけられる期間はどの業者でも同じと言って差し支えないと思う。というのも、物件の売買契約から住宅ローンの融資の実行までの約一ヶ月半~二ヵ月のうちに設計をまとめ、物件を正式に購入したあと速やかに工事に移るためだ。あまり設計に時間をかけていると、現在の家賃とローンの二重払い期間が延びてしまう。

私は優柔不断なところもあるので、この4回というのをネックに感じていたのだが、結果的には問題なかった。

 

まず打ち合わせを行う前に、請負契約があった。動画と書類で説明がなされ、電子署名で締結した。こういう場面で自分がしっかりしないと、誰もしっかりしてくれない。きちんと隅々まで読み込んで、不明点を解消してから契約を行った。

打ち合わせの各回でどんなことを話したのか、追って書いていく。

 

第1回 現地調査報告、概要の決定

設計担当者との顔合わせから初回が始まった。設計担当者もおそらく同世代で、話しやすそうな雰囲気に安心した。

営業担当者と物件担当者も同席し、進行していく。

まずは工事から引き渡しまでのスケジュール確認から始まった。

後から知ったのだが、物件購入までと工事、引き渡しで全体のスケジュールが2部制になっていたらしい(不動産部門と建築部門といったところだろう)。

ここから第2部ですよということで、改めて今後の流れの説明がなされたわけだ。

 

次に、設計担当が事前に行った現地確認の報告を聞いた。

現在の部屋の仕様を確認し、どんな工事が可能なのか、問題点なども含め洗い出していく。

たとえば今回の場合、外側の壁に断熱材が使用されていたため、無理に剥がさず既存利用が推奨された。壁の躯体表し(壁紙を貼ったりせずコンクリート剥き出しにすること)などはできないが、部屋の快適さを保つためにも断熱材は生かしたほうがいいという判断だ。

また、給排水管の位置も確認されており、トイレやキッチンの移動がどれくらい可能なのかも説明された。

 

それから、私の生活スタイルや設計への要望のヒアリングがあった。

以前、コーディネーターである営業担当に提出したシートを活用し、設計担当に詳細を伝えていく。ドルオタ趣味の説明を再度する私。具体的にどのような応援をするのか説明せざるを得ない私。「休みの日にDVDを見たり…しますね…」初対面の人に話すのさすがに照れた。

それらを踏まえ、プランの概要を練った。

目の前で設計士が細やかな線を引いていく様は実に面白かった。あらかじめいくつか案を練ってきてくれていたようだが、それは敢えて出さずに、アドリブで図面に書き加えていく。

当然のようにダイニングと隣接する部屋をぶち抜き、玄関の土間を広く取り、洋室をクローゼットにする案ができた。同時に、回遊式の家事導線を確保する。寝室は東側の部屋をひとつ既存利用することになった。

個人的に熱望していた壁面本棚については、予算上無理だと言われてしまった。

最初は「そうか。お金がないのに無理を言っても仕方ないな」と引き下がったのだが、営業担当者が可動棚の設置を提案してくれた。もう少しわがままを主張していいのだと、はっとした。そこで事前に用意していた2種の施工例(他社の物ではあったが嫌な顔はされなかった)を提示し、

「私が石油王だったらこういうのがやりたいんですけど、こんな感じの簡単な棚があれば十分嬉しいです」

などと伝えたところ、それならばと実現可能な範囲に落とし込んでくれることになった。

あまりにも無茶なことを言ってクレーマー紛いになるのは避けたかったが、かといって希望を伝えなければ満足度は上がらない。おそらく私と設計担当者の2人だけで話を進めるとなると、互いに遠慮や固定観念が邪魔をしてうまく案が出てこなかったのではと思う。煮詰まりかけたときに営業担当者が風穴を開けてくれることが少なくなかった。

 

まずは入り乱れた線をきれいに図面に起こして、次回詳細を練ることになった。

 

更にもう一つ、大切なこととして設計から引き渡しまでの注意事項の説明があった。

請負契約をもう少し噛み砕いたような内容だった。リノベーション工事はマンションの性質によってできる工事とできない工事があるので希望通りにいかないこともありますよ、とか。ご近所トラブルが起きたら一緒に解決してくださいね、とか。工事開始までに電気と水道開通させておいてくださいね、とか。

これについてはその場で要点を読み合わせた上で、詳細を確認し不明点があれば次回質問するようにと言われたので、持ち帰った。正直、忙しくて契約書ほどに細かく読み込むことはできなかった。結果として問題はなかったが、注意事項系の確認を端折るのは本当よくないと思う。何かあってからでは遅い。

 

 第2回 プランの調整、電気系統図、住設の打ち合わせ

 

初回で話し合ったことが図面になって提示されたとき、感動を覚える反面、まだもやもやした気持ちがあった。

まず、段差が多かったこと。ウォークインクローゼットの収納が少ないこと。ドアが既存利用とされていたこと。可動棚の位置がダサかったこと。

それらを注意深く適切な言葉を探して伝えながら、改良していく。広かった土間を半分にして(それでも広いが)その分クローゼットを広げた。ドアはなるべく付け替えたかったので、いったん付け替える方針で見積もりをお願いした。

マンションのリノベーションでネックになることの一つとして配管位置がある。水道やガスの配管がどこにどう通っているかで、設備の位置の自由度が決まる。必要なパイプスペースなどは解体してから初めて具体的にわかることもあるので、設計通りにはいかないこともしばしばだという。

私の場合も、配管が水回りにできる段差の高さに関わってくるようだった。トイレの向きやキッチンの位置を調整し、なるべく低く収まるようにした。

 

それから、電気系統図の打ち合わせも行った。家中のどこに照明をつけて、スイッチをどこに配置して、コンセントをどれくらいつけるか。

一番の感動ポイントは、玄関の人感センサーがデフォルトだったことだ。ハイテクすぎやしないか。

ダイニングの照明にはペンダントランプを吊るしたいと思っていたので、購入予定の物を見せてプランに組み込んでもらった。広告で見つけた輸入品のランプ。今ごろ、どんぶらこと海を渡っていることだろうと思う。

また、そのランプを主役にすることを想定して、玄関の照明のデザインを選んだ。リノベる独自のサービスで、自分で好みのテイストやデザインを模索できるシステムがあるのだが、それの結果で候補となった数種類のうちから選択する形だった。

その場ではいったん決めたものの、後日別の物に変更した。変更のお願いは、リノベる独自開発のメッセージアプリで打ち合わせ時間外に伝えることができた。この辺りがフレキシブルなので全4回で間に合ったと言えるだろう。

 

そしてキッチンやユニットバス、トイレといった住宅設備について、主なブランドを3社ほど見繕って方針を決めた。

次回打ち合わせまでの期間でショールーム巡りをし、各社から見積もりをとってくる使命が課された。

ショールーム巡りも実に楽しかったし思い出深いので、別の記事で書こうと思う。

 

第3回 概算見積もり、仕様の詳細の決定

 

この回が一番苦労したといってもいい。

なにしろお財布との激しい殴り合いなのだ。

前回までの内容を踏まえ、概算見積もりが出されたところ、当然のように予算をオーバーした。おおよそ100万円の超過。これをいかにして削っていくかが焦点となる。

まず犠牲になったのはドアだ。リビングに入るメインのドア以外は既存の物を使うこととになった。目立った傷はなく、もともと木目調なので、激しく浮くことはないだろうということで自分を納得させた。

次に可動棚。もともと2面に配置する予定だったが1面を中止。クローゼット内の棚も減らした。

それからショールームから取り寄せた見積もりをもとに、住設のメーカーを決定。基本的に一番安いものを選んだが、キッチンだけはわがままを通して一番高価なものにした。デザイン重視でありつつ、食洗機も問答無用で深型にした。

更に、ユニットバスのパーツのグレードを下げたり、フローリングを貼る範囲を減らして塩ビタイルにしたり。あらゆる角度から検討していく。

見直しポイントについては設計担当者からも提案があったが、すべてを吞んだわけではない。トイレの既存利用など、嫌なものにはきちんとNOを伝えて、極力満足度を下げないようにぎりぎりのラインを模索した。

この回から、設計のアシスタントさんも入り、全部で4名のチームとなった。私も施主という立場ではあったが、話していくうちに、ひとつのプロジェクトを一緒に作り上げる同僚のような感覚になっていた。

アシスタントさんの功績もあり、最終的に予算プラス20万程度のところまで下げることができた。物件購入の頭金が融資の実行と共に手元に戻ってきているので、20万程度の持ち出しになら耐えられると判断し、話をまとめてもらうことにした。

また、次回仕上げの打ち合わせを行うため、資材の候補を決めた。床に貼りたいフローリングや、水回りのタイル、ドアの色見本等だ。直観で好みに合うものを矢継ぎ早に指さしていく感じだった。

打ち合わせは各回3時間程度かかっていたが、この回は3時間半超に及び、退室時にはげっそり。めちゃくちゃに疲れた。

 

第4回 図面、資材のfix

 

第3回の殴り合いの結果を図面に起こしてもらった上で、仕上げ部分の決定を行っていった。

この時の様子がいかにも「打ち合わせ」っぽい雰囲気だったので、写真を撮らせてもらった。

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色々カットしたら良くわからない写真になったが。

よく言われる、リノベーションの工程で「一番楽しい」時間である。

前回打ち合わせで挙げた候補に足して、メッセージアプリで伝えた追加候補、以前から希望していた水回りに使用するタイルなど、取り寄せてもらったサンプルを眺めながら、詳細を詰めた。

床も、資材の貼り方ひとつで部屋の印象が変わる。例えば私は寝室で長く過ごすことはあまりなく、ほとんどリビングで活動することを想定しているので、寝室はあくまでもリラックスすることを考えて、なるべく広くゆったりとした印象になるよう床用タイルの向きを決めた。他にも導線ごとに同じ種類の色違いで区切ったり、いろいろと工夫を凝らした。

ちなみに、洗面所に使用するタイルは施主支給品だ。すなわち、私が直接発注して納品する。リノベ業者側で発注するとどうしても手間賃がかかるので、施主支給にすることはコスト削減にも繋がる。タイルはそれこそ無限にあり、設計担当者としても提案は難しく、インスタやピンタレストなどで自ら施工例を探し、気に入ったものを業者に取り付けてもらうという方法は、いろんな意味で効率がいいのだ。

他にも、トイレのペーパーホルダーなど、細々とした部材は施主支給にしているので、リノベ業者の出した見積もり以外に数万円プラスで実費がかかることになる。しかしながら結果として安く満足度を上げることができる裏技みたいなものである。

 

設計については概ねうまくまとまったが、今後の流れの説明で少々問題が発生した。

リノベ工事費の決済が終わってから引き渡しを行い、数週間後に引っ越しができるようになるのだが、日程の兼ね合いがとれるか不安が生じたのだ。

請求書が出てくるタイミングがここで判明したため、金融機関で事前に話していた決済の予定とずれることになり、諸々考えていたスケジュールと嚙み合わない!と焦ってしまった。これについては平日に金融機関に問い合わせて無事解決した。

また、隣近所へ工事前の挨拶まわりを行ったことが事後報告され、私も同席することになっていたし行く気も満々だったので困惑した。ただ、ほとんどの家が留守だったとのことだったので、再度伺ったほうがいいと申し出て、着工前に念押しで挨拶まわりをすることにした。設計担当者になんとか都合をつけてもらい、施主・設計担当者同席のもとで無事に挨拶を済ませた。

大なり小なりアクシデントがあった場合、真っ先に「聞いてないよ!」という気持ちになるので、私は本当にホウレンソウがされていないと嫌な気質なんだなと自覚させられた。

 

以上が設計打ち合わせの流れだ。

なんたってひとり暮らしである。最終的な決定権は全部私にある。良くも悪くも。

悩ましいながらも、噂のとおり楽しい時間だった。

次の工程はいよいよ工事着工だが、ブログ記事としては先にショールーム巡りのことを書いておきたい。

ひとり暮らしドルヲタ女が中古マンション買ってリノベするまで#7

こんばんは、ろこです(cv.欣也さん)

少し間が空きましたが、今回も引き続きマンション購入+リノベの件について書いていきます。

 

久々の更新は、住宅ローン借入の流れについて。

私の財力では現金一括でマンションの購入などできるはずもないので住宅ローンを組むのだが、これもまた知らないことだらけだった。

 

まずやったのは、どこの銀行で借り入れをするのが一番合っているか、マッチングサービスで調べること。

私の場合、利率はもちろんだが、リノベーション工事をしている期間は元金の返済を据え置いてもらえる仕組みが使える金融機関に頼みたいという希望があった。

基本的に決済をしてしまうと直後から返済が始まるのだが、すぐには引っ越せず今住んでいるアパートの家賃を払い続けなければならないので、工事が終わるまで2重払いになってしまう。その期間、利子だけの支払いで、返済を待ってもらえるという仕組みが、あるところにはある。

また、金融機関によっては物件購入費に対してリノベーションの工事費の限度額が設定されているところもあるそうだ。今回は物件の購入費が安く済んでいるので希望のリノベーション工事費が限度額を超えてしまい、ローンの審査が通らない可能性も出てくる。

それらをクリアした金融機関が、ありがたいことに見つかったので、そこに仮審査を申し込んだ。

 

しばらく待っていると、仮審査結果が出て、次は面談に進んだ。

住宅ローンの借入は、購入した住宅の使途によって利率が変わるらしい。

私の場合は住居用だが、賃貸用だとそれよりも利率が高い。つまり安くお金を貸すために「間違いなく、住むための購入ですよね?」といったことを直接面談で尋ねられるのだ。

念のためかっちりしたジャケットを着て、銀行に出向き、なるべく明るくはきはき話した。就活以来の緊張感である。

その中で、今後の流れや、同時に保険の話をされた。

住宅の購入時には、生命保険などの見直しをすると良いらしい。ローンの借入をすると全員、団体信用保険というものに入る(掛金は金融機関が支払う)ので、仮にローンの返済が終わらないままに死亡したとしても残金については保証され、相続人に支払いが行くことはない。むしろ資産が残るので、死亡保険などの金額を見直したりといったタイミングになり得るのだ。

また、それとは別に、住宅ローンにつけられる特約も説明があった。例えば8大疾病特約。ガンなどの疾病が告知されると、治療の期間について支払いが免除になったり、残金が0になったりする。返済時の利率に何%か足して支払うことで、そういった備えをすることができる。

私はその場では申し込まなかったものの、金融消費貸借契約のときに申し込んで特約をつけてもらった。私が仕事ダメになっても私の代わりに払ってくれる人いないからなぁ。

しかしその際には生命保険同様、告知事項というのがあり、健康診断で引っかかった結果を洗いざらい伝えなければならない。私は地味に引っかかってたあれそれを書くのがちょっと面倒だった。結果的には問題ない範囲なのだが、言わないと後で大問題になりかねないので…。

 

無事に面談が終わり、いよいよ本審査。

これは正直、書類を出して待つだけだった。けど、やっぱり無事通った時は安心した。

 

その後、金融消費貸借契約(金消とか、金消契約と呼んだりする)を行った。

これも金融機関に直接赴いていろんな書類を書き、いろんな書類にハンコを押す。

使うのは実印である。それに、印鑑登録証明書も提出する。これまで印鑑証明なんて弟の奨学金の保証人になる時くらいしか使ってこなかったけど、ここにきて初めて自分のために証明書を出した。

帰りに粗品をいただいた。キッチンペーパーが地味にありがたかった。

この金消から数営業日後に、実際にお金を借りることができるようになる。

 

そして、融資の実行。

物件の売主と買主が顔を揃えて、不動産仲介業者も立ち合い、でかい金が動く。

私はなんとなく、お金が銀行から売主あてに勝手に送金されるのかと思っていたのだが、そうではない。

まず一旦、私の口座にドカンとウン千万が入ってくる。

そこから、指定の口座に送金したり、現金で引き出して手渡したりしながら、お金を動かすのだ。

銀行員に手続きをお願いして、待つ間、マンションの管理費の口座引き落としの書類を書くためにアプリ口座を見ていたら、急にとんでもない額が表示されてめちゃくちゃビビった。さすがに記念のスクショを撮った。

 

売主に、物件購入費用の残額(頭金を引いた額)と、固定資産税や管理費の精算分を。

不動産仲介業者や銀行に手数料を。

司法書士に登記の手数料を。

それぞれ支払い、晴れて私は、マンションの鍵を手にすることとなった。

 

鍵には売主さんがかわいいキーホルダーをつけてくださっていた。わざわざ買ったわけではないだろうが、個人的にツボなモチーフだった。

これもいただいていいんですかと聞くと、優しい顔でどこか照れながら頷いてくださった。私は本当に売主さんにも恵まれたなと思う。

 

ここまでで、物件購入費の決済が終わったのだが、合わせてリノベーションの工事費用も借りている。それについては分割契約を行って、工事が終わった後に、リノベの請求書が出次第、融資の実行をすることになる。

当然、物件は不動産で工事は建設。違う分野ながら、これらの融資を一本化できるのが購入+リノベーションをワンストップでやる上での利点だ。

 

手にした鍵はリノベーション業者に預けた。

これからあと少し、設計の話を詰めたら、いよいよ工事の着工である。

その設計の話を、次の記事で書いていこうと思う。

 

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#6

今回は物件探しの顛末を書こうと思う。

(身バレ防止のため、具体的な情報は適宜変えているのでご容赦願いたい。)

 

前回も多少書いたが、私の場合、物件探しはエージェント制だった。

埼玉の某鉄道沿線で、駅近、50平米以上、2階以上、ペット可…

希望の条件を入れると、だいたい30件程度がヒットする状況。業者巡りの段階から、それほど無茶な希望というわけでもないと思います、と言われてはいたものの、本音を言えばもう少しわがままな条件は胸の内にあった。

それでもエージェントに依頼をしたその日、希望に限りなく近い条件の物件の情報が出ていたため、これを第1希望として、いくつか候補を出してもらうことにした。

「リノベる。(リノベーション業者)」の場合、物件担当者が事前にマンションの重要事項についての資料を取り寄せて、問題がないかどうかを確認し、結果を報告してくれる。可能であれば事前内見もして、やりたい工事が可能かどうかもチェックしてくれる。その上で最有力候補の内見に行くので、買い付けの決断が速やかにできるという話だった。

私は待つだけではあったものの、気になって日々不動産サイトをチェックしていた。そもそも間取り図を見るのは結構好きなので、苦ではなかった。

 

依頼をして、約2週間。

調査結果の第1弾が届いた。

リストにあがったマンションは7件。その中に、例の第1候補はなかった。

条件が良かったから、売れてしまったのか――

残念に思っていると、担当者からの説明があった。

 

概要はこうだった。

集まってきた情報の分析からすると、今回の7件のうち、買う価値があるのは2件。他の5件は避けたほうがいいと考えられる。

2件についても、希望を全部叶えているとは言えないため、慎重に検討すべきである。

第1候補だった物件については、不動産会社からのレスポンスが鈍く、今回の調査結果には反映できなかった。引き続き資料の取り寄せ等していく予定である。

 

ふむ……と私は結果リストを眺めた。

まず、リストの充実ぶりに驚いていた。

価格や管理費、修繕費に始まり、築年数や耐震基準などの基本事項はもちろんのこと、メリット・デメリットや管理会社の借入状況等にいたるまで、詳細なデータが縦覧できるようになっている。

例えば平米数が少ないと、窮屈なだけではなく住宅ローンも通りにくい。

マンション規模に対して修繕費が安すぎても懸念事項となる。備えが足りないと将来的に急な請求があったりすることも考えられる。

そういった点まで考察され、事細かに赤字が入れられていた。

 

私が日々チェックしていた中で、これは有力候補かもと思っていた物件も、この段階でことごとく対象から外された。内見の手間がどんどん省かれていく。

 

有力候補とされた2物件について、1件は私がむしろ避けたいエリアに該当したので却下した。

もう1件についても、第1候補の調査結果を待ってから考えたい。そう思って担当者に返事をした。

 

数日後、第1候補についての続報があった。

依頼日に見ていた物件については、案の定、既に買い手がついてしまったそうだ。そのために不動産会社からのレスポンスも遅かったのだという。

しかし同時に、同じエリアでほぼ同条件の物件が売りに出たという話も入ってきた。

そんなことある?!――いやない。これはまあまあすごい奇跡だ。

この機会を逃す手はない。早速、私とリノベーション担当者・物件担当者・不動産仲介業者の4人で内見に行くことになった。

 

当日は快晴で、2月とは思えないほど暖かな日だった。

茶店で担当者と落ち合い、爆速で集めてもらった対象物件の調査結果を見る。

 

端的に言ってほぼパーフェクトだった。

広さ、築年数、駅徒歩、—―申し分ない。

唯一の欠点は、管理費・修繕費が平均より少し高めであること。しかしそれも、住人が会議で決めているようで、長期的な維持計画に基づいて必要な額と認められたものであるため、むしろ安心材料といえた。

ランニングコストがかかるのは戸建てとマンションの比較で挙げられるデメリットだが、「マンションは管理を買え」というのもよく言われることである。

 

あとは、売主がまだ入居中で事前内見ができていなかったため、実際に中を見て工事ができない構造でないかが心配だった。

それから、私より早く買い手がついていないかどうか。

これほどいい条件なのに買い逃したら凹む!

そう言ったら「その時は私たちも凹みます」と笑ってくれた担当者の存在が心強かった。

 

物件のエントランスで、不動産会社の担当者と落ち合う。

名刺をいただいたところ、支店の所在地が私もよく知っている場所だったので、地元トークで盛り上がった。

はやる心をなんとか落ち着けようとする。が、しかしマンションの作りがなんかもう既に思っていたよりおしゃれで緊張が高まる一方だった。

遂に約束の時間が来て、呼び鈴を鳴らし、中にお招きいただく。

売主さんに迎えられて部屋に上がると、図面で見た場所が実体として目の前に立ち現われ、当たり前のことだが不思議な感動をもって迫ってきた。

 

引っ越し作業でお忙しい中、キッチン、風呂場、洋室と、順繰りに見せていただく。

正直言って、フルリノベーションで壁も天井もぶっ壊すので、中身について私自身はさほど気にすることはなかった。配管が通るパイプスペースの位置など、工事に関する部分は物件担当に任せておく。

私が見るべき大事なチェックポイントは眺望と、共用部の管理状況である。

広い窓からやわらかい日がたっぷりと差し込む。ベランダから外を見せていただいたとき、すぐそばに大きな木があった。

「あれは桜です。」

売主さんからそう言われたとき、購入を決めた。

家のベランダから桜が見られるなんて、リノベーションでは叶えられない、最高のメリットだった。

もちろんその他の共用部についても何ら問題はなかったので、あとは近隣の住人の様子などを聞かせていただいて、よくよくお礼を言って内見を終えた。

 

緊張が解け、どっと疲れたが、興奮をエンジンにしてそのまま再度喫茶店へ移動した。

物件担当から内見時にチェックした項目の報告を聞く。概ね問題はなさそうだった。

それから、仲介業者から今後の流れの説明を受けつつ購入の申込書を書いた。法的な拘束力はないものの、仲介業者が売主に説明をする際に使うものとのことだった。

 

しかしここでネックとなったのが、私の資金不足である。

物件を購入する際は、手付金というものが必要になる。

これはローンに組み込むことはできず、この時代でも、現金払いである。

通常は物件価格に対して5~10%の金額が相場だが、私の用意できる軍資金は僅かに足りなかった。

言い訳をさせてもらうと、物件を買うまでこんなにトントン拍子に行くと思わなかったのだ。なんなら当初は、次のアパートの更新までの2年で必要な資金を貯めようと計画していたのである。

計画が、繰り上がったんだ。(CV.喜安浩平

 

この点については、仲介業者もさすがに困った顔をしたが、私とリノベ担当者がそろって頭を下げて(すみません)どうにか交渉をお願いした。売買契約時に一般的に必要となる売主の責任事項を一部免除する方向で交渉できないかと掛け合った(リノベーションで解決できるものなので、免責となっても私にデメリットは少ない。)。

仲介担当者は、なんとかお話してみますと承諾してくれた。申し訳ない……。

そして結果として、無条件で売主さんの承諾を得てくれた。本当にありがとうございます……。

OKの連絡を受けた時は本当にほっとした。

売主さんとはその後つつがなく物件売買契約を行い、いま私の手元には契約書類が詰め込まれたずっしりとしたファイルがある。

 

これを読んでくれている方にひとつ声を大にして伝えておきたいのは、

「初期費用0円でも中古マンションが買える」

というのは、「今現在の貯金額が0円でも買える」という意味ではないということだ。

私は何となく、そういう意味だと思っていたけれど、必要となるお金のすべてをローンに組めるわけではない。

手付金と、基本的に諸費用(仲介手数料や登記費用など)は現金払いなのである。(諸費用はローンに組めることもある。)

買いたい物件の相場にもよるので一概には言えないが、最低でも100~200万円くらいは貯金があったほうが動きやすいと思う。ぜひ参考にしていただきたい。

お前100万もなかったんかいというツッコミはもう足りているので優しくしてください。

 

じゃあ初期費用0とは何かというと、おそらく諸費用や購入資金を全額ローンに組むことができるので実質0よ、という話だと思う。

手付金については、金銭消費貸借契約(住宅ローンの契約)を行い、決済をすると、物件価格分のお金がドカンと口座に入ってくる。売主側には物件価格分-手付金の残金を一括で支払うので、手付金分が手元に「戻ってくる」。

このあたりは買い方にもよるのだと思うが、私は物件価格まるごとローンで返済するので、結果としてそうなる。もし十分に貯金があって、「初期費用」が用意できるのであれば、手付金はそのまま購入費に充当するやりかたもあるのだろう。

多分これめちゃくちゃ当たり前のことを書いているんだろうけど、そういうことこそが意外と素人にはわからないんだよなあ……と思う。

 

次は住宅ローンの本審査と、リノベの設計打ち合わせに入っていく。

打ち合わせはリノベーションの醍醐味なので、存分に楽しんでやるつもりだ。

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#5

今回はいよいよ、業者決定の話をしようと思う。

 

昨年末に4社巡った、中古マンション購入+リノベーションのワンストップサービスを請け負う業者のうち、私が最終的に選んだのは「リノベる。」である。

最初にドアを叩いた会社に決めた。

理由は大きく5つある。

 

1.資料と説明のわかりやすさ

まず私個人の傾向として、事前に資料などをしっかり準備しておいてくれると非常に安心するタイプである。

「リノベる。」は個別セミナーに申し込んだ段階からかなり詳細なヒアリングが始まり、私のニーズを汲んだうえで、当日わかりやすい説明をしてくれた。

おかげで一気にリノベーションに対する敷居が下がった感覚があった。

巡った会社の中にはパンフレットやリーフレット、チラシが山ほど用意されているところもあったが、少なくとも私の場合、それだとかえって煩雑で欲しい情報がどこにあるのかぱっとわからず混乱してしまう。「リノベる。」はその点も、パンフレット1冊+αで必要十分な情報がまとまっており、ちょうどよかった。

 

2.効率の良い進行

「リノベる。」の特徴のひとつに、自社開発のアプリで担当者と常時連絡を取り合えるという点がある。LINEのようなものである。それを使って質問したり、資料をやり取りしたりといったことが昼夜問わずできる。(もちろん返答があるのは相手方の営業時間中だが。)

また、施工例から好きなテイストを選んで、素材をカスタマイズし、デザイン画のようなものを作ることができるシステムがある。それを使ってデザイナーさんに好みなどを伝えて、打ち合わせを効率よく進めることができる。

実際自分でデザインをいくつか考えてみると、どの部屋にこだわりたいと思っているのかが見えてくるのだ。何パターン作ってもやっぱりキッチンと風呂はグレードの高いものを選びがちだし、床は別にヘリンボーンじゃなくてもいい。そういう傾向が客観視できるようになってくる。

「リノベる。」は基本的に打ち合わせ回数を4回としている。打ち合わせ回数が無制限の業者もあり、4回で終えられるか不安だった私はその魅力に揺れたが、「リノベる。」の進行を効率化するシステムのほうが自分に合っていると判断した。なにせ最小時間で最大効率をあげろと学生時代から徹底的に刷り込まれているのである。

無制限だとして、その分通わなければならない。もしくはオンライン会議打ち合わせ。どのスタイルが自分に合うか考えて選ぶのは、家づくりが楽しい経験になるかどうかの重要ポイントだと思う。

 

3.物件探しのエージェント制

中古マンション購入+リノベーションのワンストップサービスを扱う業者は多くが「自社仲介」スタイルである。つまり、不動産の仲介をして、買ってもらった物件に対して自社でリノベーションも請け負う。

「リノベる。」は同じ業界の中でも唯一「他社仲介」スタイルをとっている会社である。自社で不動産仲介を行わないが、自分の希望する条件や、リノベーションをするのに適切な物件を探して中立的な立場で紹介してくれるのだ。したがって買い主たる私は担当者に条件や理想を洗いざらい話して、あとは基本的に自分で探しに行く必要がない。

自分で探しても、素人にはわからない部分でリノベーションに不向きだったりすることもあり、骨折り損で疲れてしまいかねないことを考えると、魅力的に思えた。

ただし、自社仲介であっても物件探しのエージェント制度自体はオプションとして採用している業者もあったので、「リノベる。」にしかないサービスかと言われれば(買い主的には)微妙だとは思う。他社仲介の詳しいメリット・デメリットについては専門的な話を含むので、気になる方はぜひ「リノベる。」に聞いてみてほしい。

 
4.豊富な実績

以前にも書いたが、「リノベる。」は全国に広く展開しており実績豊富である。だからこそ、実際の自社の施工事例から「こういうテイストで」と話しやすいし、どれくらいの費用がかかったかも知ることができる。

これも安心感や、効率の良い進行に繋がっていくものだと思う。

また、デザインに決まった傾向がなく、いい意味で「コテコテ」というわけでもないのも気に入った。

 

5.担当者との相性

ぶっちゃけこれが一番大事かもしれない。

話していると考え方が一致するところが多い一方で、私とは正反対なところもあり、それが担当者とクライアントという関係だからこそうまく組み合うパターンだなあと思う。

年が近くて、話しやすく、私の慎重な性格を考慮してくれ、なんと犬に詳しい(これはかなり運がいい)。

これから長くお世話になるので、うまくやっていきたいなと思う。

 

以上のことから、今回は「リノベる。」に決めたが、ネックになった点がないわけではない。むしろめちゃくちゃ悩んだ。

例えば金銭面で、自社仲介の場合は不動産仲介からも収益が得られる分、「リノベる。」よりも設計費が安かったりした。

 

全体のスケジュール感や提示してくる費用感はどの会社もだいたい同じだった。「クライアントの希望に合う家」というゴールや手段が一緒だし、「クライアントの財布(年収)」から算出するため掛けられる費用の限度額も一緒になる。

差がついたり、決め手になるのは、打ち合わせのスタイルと、費用の内訳(どこにいくらかけるのか)、会社・担当者との相性だと思う。

また、会社によっては「得意なデザイン」がある場合もある。デザイナーが多くてどんなテイストにも対応できますという会社もあれば、自然素材に強くてナチュラルなテイストが多いですという会社もあるので、それもポイントになり得ると感じた。

会社選びで失敗するとしんどいので、同じように中古マンションリノベしたい人は何社か巡って決めることを強くお勧めしたい。

 

ちなみに私は今、物件探し中。つまり担当者からの吉報待ちである。

ひとり暮らしドルオタ女が中古マンション買ってリノベするまで#4.5

今回は閑話休題

あけましておめでとうございます。今年もどうぞお付き合いください。

 

今年は実家に帰らず、ひとりで年越しを迎え、両親にはLINEのビデオ通話で挨拶をした。

このときの目下の課題は、中古マンション購入+リノベーションの野望を両親に話すこと。「一年の目標」を話す流れでさりげなくぶち込む作戦だった。緊張していて前後はもはや覚えていないが、とにかく私は実行した。

 

父の第一声は「お金持ち~」だった。いや実際そうでもない…。

少し動揺も伝わってきたし、私は滔々と自分の思いを語った。

自分のことは自分で幸せにしたい。そのためにできることはやっていきたい。

どうしてもこの話をする上では、#1で書いたような動機を避けることはできない。家買うよ!はいそうですか、は私の場合は無理だった。

しかも「結婚したので」とか、「手狭になったので」という傍目にもわかりやすい転機がない分、丁寧に説明する必要があった。

実家がどうなるか、私の人生がどうなるか、まだわからない。将来的な選択肢を増やすために、売ることも考えて資産価値の高いマンションにするということも伝えたので、だいたい理解はしてもらえたと思う。

 

構えていたよりはずっと穏やかに話は済んだ。

納得したかはわからない。特に父は、やはりというか、娘に結婚を諦めてほしくはないようで(別に諦めたわけではないが)「これから30年そこに住む気なのか」、「結婚できないとその年で考えるのがすごい」等と言っていた。一生懸命言葉を選んでいる感がすごく伝わってくる。

それらには、「長く住むことを考えずに家を買う人はいない」「いま相手がいない状況で結婚できると考えるほうが不自然」と返した。

 

昨年に半年間、婚活したことも話した。それなりに頑張ったが、うまくいかずに自己否定もひどくなり、疲れてしまったこと。泣くまいと思っていたが、結局泣いてしまった。お屠蘇のせいだと思う。

そのあたりの気持ちを理解してくれたのは母だった。今よりもずっと結婚の平均年齢が低かった時代に、今の私と同じくらいの年齢で結婚した母。同じように苦しい気持ちを経験してきているのだ。

「他の人と同じようにはいかないよ」

と母は言った。

「そんな中でも自分の生き方を見つけるのは大事だよ」

大体のニュアンスだが、そんな言葉を聞けるなんて思ってもみなかったので、驚くとともに感謝した。

 

とにかくマンションを買ってリノベーションすることを伝えてから、打ち合わせに参加する希望があるか聞いた。

リノベーション会社には、将来的に親が同居することになる可能性なども想像して計画を立てるといいとアドバイスを受けており、なるほどなと思ったので、そのことを伝えたのだ。

すると、意外にもそれは断られた。

父曰く、趣味の部屋を足すのと親が住む部屋を足すのとでは意味が全く異なる。自分の理想の家を実現する設計と、誰かと同居を想定しての設計を両立させるのは困難だという。

なおかつ、何度も繰り返すことができない大きな買い物だから、自分の思うようにやらないと後悔する。今の家を建てた時にそう思ったとのことだった。先人の言葉は重い。

母は、そこまで考えてくれているなんて、と若干感激しているようだった。ただ、なるべく今の家で住み続けたいという希望もあるということで、父の言うことに同意した。

余談だが、老後にどんな生活をしたいか両親と話しておくのは介護の観点からも大切なことなので、それも同時にできてしまったのは思わぬ収穫だった。

 

そうこう話しているうちに、大学院生で下宿中の弟も通話に参加した。

私の計画に対する弟の第一声は「楽しそうー!」だった。全肯定で笑った。

両親に言わせると、弟は私と違ってかなり行き当たりばったりのマイペースらしい。大違い、と言われるほど違うとは思っていなかったので、それも意外な気がした。

 

晴れて家族問題もクリアしたので、本格的に、私一人で中古マンション購入+リノベーションに挑むことになった。

だがここにきて、電話するまでにかなりの葛藤があった。

果たして私の決断に誤りはないのか?担当者が言っていることは正しいのか?

 

中古マンション購入+リノベーションのワンストップサービスを扱う業者は仕組み上、たいていどこもそうなのではと思うが(違ったらすみません)、リノベーション工事費用の相見積もりを取れない。不動産を購入したらその物件についてのリノベーションを必ず同社で行うことが、依頼時の契約書に既に盛り込まれているからだ。

この点は私にとってどうしても不利に働く。チェック機能もなければ知識もない。最悪騙されていたところで気づくことができない。

しかも私は4社巡った中でも比較的割高の業者を選んでいる。

本当にこの会社でいいのか?

たったひとりで大きな買い物をする緊張から、怖くて疑心暗鬼になってしまったのだ。

 

悩みに悩んだが、最終的には電話をかけて正式に依頼をした。

これまで時間をかけて考えてきたことと、自分の勘を信じるほかない。

業者の担当者と何度か話す中で「優柔不断ですみません」と言ったところ、「優柔不断なんじゃなくて、慎重派なんですね。石橋を叩きまくるタイプ」と笑いながら返された。そう受け取ってくれる相手と、これから家を作っていく。

 

今後も決断の連続だ。100%の結果にするのは難しいかもしれないが、なるべく後悔のないように、適度な強さでしっかり石橋を叩こうと思っている。